エアドライヤとは・エアドライヤチェックスイッチの使いかた

使いかたがよくわからないスイッチとして、上位にランクインするのがこの「エアドライヤチェックスイッチ」でしょう。実際、滅多に使う機会はありません。一生使うことがないかも。

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エアドライヤとは?

 乗用車はブレーキの作動に油圧回路を使用しています。しかし、バスやトラックは大型であるため、力点(ブレーキペダル)と作用点(ブレーキ)に距離があります。油圧で組もうとすると膨大な油が必要となり、管理上もいろいろなトラブルが考えられます。とくにトレーラーは切り離しも必要となるため、油圧回路だけではトレーラーを切り離したときに油が漏れてしまいます。

 ということで、バスやトラックでは油圧回路のほかにエア回路が用意されています。エアコンプレッサーにより高圧空気を生成し、ブレーキやクラッチのアシストなどに使用しています。

 しかし、空気というのは圧縮すると、含まれている水蒸気が水になる「凝縮」という物理現象が起こります。配管内の水は配管の腐蝕を引き起こし、また冬季になると、凝縮した水が凍結し、エア回路を塞ぐこともあります。

 こういったことにならないように、圧縮空気から水分を排除するための装置がエアドライヤーです。エアドライヤーは、エアコンプレッサーにて圧縮される空気を除湿します。これにより配管内の圧縮空気を乾燥に保ち、水分の凝縮を防止します。

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エアドライヤーのしくみ

 エアドライヤーには内部に乾燥剤が入っています。この乾燥剤により、コンプレッサーで圧縮される空気を除湿します。

 乾燥剤ですから、永久に除湿することはできません。いずれ必ず湿気ます。そこで一定時間(たいていはコンプレッサーの停止時)ごとに少量のエアーを吐き出し、除湿した湿気を放出するようになっています。

 信号待ちしているトラックからたまに「プシューン」と音が出ているのを聞いたことがないでしょうか。ブレーキの音ではないエアー音を聞いたことがあるでしょう。実はこれがエアドライヤの作動音です。エアドライヤがエアーと一緒に除湿した水分を吐き出したときにこういった音がなります。

エアドライヤースイッチの使い方

 冬季など温度が下がると、エアドライヤーの除湿能力が低下してしまいます。そこで、エアドライヤーにはヒーターが装備されており、乾燥剤を保温しておくことにより、低温時にも安定して除湿・放出を繰り返せるようになっています。

 エアドライヤースイッチはこのヒーターの動作をチェックするためのスイッチです。