1年ほど前から英語キーボードを使用していましたが、実際に使ってみたところ、世間の評判ほどいいものでもなかったので、「英語キーボードを買う前に知っておきたいこと」と題して書いてみたいと思います。
英語キーボードがいいと言われる理由
プログラマー界隈では、英語キーボードが人気となっています。
- プログラミングで頻用するキーが自然に配置されている
- 「かな入力」など、普段使わないキーがない
- かっこいい
人気の理由のひとつが「キー配列が自然だから」というもの。
プログラマーは;
や[ ]
などの記号をよく入力します。
たとえば、日本語キーボードでかっこ([
や]
)を入力しようとすると、日本語配列では斜めにキーが並んでいます。
しかし、英語配列だと横一列です。
また、文字列を表す"
やプログラムの区切りを表す;
もよく入力します。これらの文字は、日本語配列ではShiftキーを押しながら入力する必要がありますが、英語キーボードではキーがひとつ割り当てられているため、直接入力できます。
このように英語キーボードの配列は合理的かつ自然な配列となっており、プログラミングするうえで都合がよいため、「プログラミングするなら英語キーボードのほうがいいよ!」と言われているのです。
とはいっても、しょせん俺らはジャッパニーズ!
たしかにこの説は一厘あって、英語キーボードに慣れて、ガシガシ使いこなしているプログラマーも多いようです。
ただ、私が英語キーボードを試してみた印象では、日本語キーボードに長年慣れ親しんだ人が乗り換えるのは必ずしも得策ではないのかなと思われました。
それまで無意識にできていたことを修正するのは、誰しもそれなりの苦痛を伴います。
例えば、長年右利きだった人が突然左手でお箸を使おうとしてもなかなかできませんよね。新たな手法を身につけるのには、相応のストレスやエネルギーが必要になります。むしろコストのほうが高く付きかねないのです。
”を入力しようとすると、どうしてもShift+2を押してしまいます。「あ、英語キーボードだった」と思い出して、キーを押し直す。これを繰り返していたら、せっかくの合理的な配列も意味をなしません。
日本語キーボードでブラインドタッチできる人は、そのまま日本語キーボードを使っていたほうがストレスもないし、素早く入力できるはずです。
英語と日本語キーボードを併用する人は
会社支給のパソコンをさわったり、他人のPCを触る機会が多い方はさらに難が生じます。
例えば、私の本業はです。病院では、電子カルテに付属する標準的な日本語キーボードを使っています。
こうなると、家で英語キーボードを使っていても、職場では日本語キーボードを使うことを余儀なくされるわけですが、このときの頭の切り替えが意外と大変なんです。
例えるなら、車のアクセルとブレーキが場所によって入れ替わってしまうならどうでしょうか。状況としてはこれに似ています。頭がこんがらがっちゃうんですね。
器用に切り替えができる人はいいでしょうが、残念ながら自分には無理でした。効率アップどころか、むしろダウンしてしまった印象です。
試してみて
もしあなたがコテコテのプログラマーで、使用するすべてのパソコンのキーボードを英語配列に統一でき、英語配列に習熟するまでのコストに納得できるのなら、英語キーボードは良き選択となり得ます。
しかし、英語キーボードを導入した後も日本語キーボードを使う機会が続くのなら、日本語キーボードに統一した方が多くの人は幸せになれそうだなというのが、ボクの出した結論です。
とはいえ、今は安い英語キーボードも売られていますので、試しに導入してみるのはアリだと思います。気になるなら安い英語キーボードを試しに使ってみて、よければ高級メカニカルキーボードにアップグレードするのもいいのではないでしょうか。
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