【三菱ふそうエアロバス】メーターパネルの表示灯・警告灯をまとめてみました!(MS8系)

バスのしくみ

三菱ふそうの大型観光バス「エアロバス」「エアロクイーン」(MS8系)のメーターパネルと警告表示の意味についてまとめてみました。

ふそうエアロバス MS86
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メーターパネルを全点灯させてみると?

エアロバスのメーターパネルは、下の図のような配置となっています。

三菱ふそうエアロバスのメーターパネル

MS8系エアロバスのメーターパネルを全点灯させたときのようすです。厳密には、KC代エアロバスのメーターパネルとなっており、代によって若干の違いがあります。

そして、メーターパネル上部にあるインジケーター部分は、以下のようになっています。

三菱ふそうエアロバスのメーターパネル(拡大)

U代までは枠全体が点灯する透過型のインジケーターでしたが、KC代になって自照式のインジケーターパネルに変更されました。MS8系末期のPJ代(直6ターボ車)になると、一部がピクトグラム表記に変更されます。

当記事では、これらのインジケーターの意味についてまとめています。

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表示灯(点灯していてもOKなもの)

バッテリランプ

バッテリーランプは通電状態を表示するランプです。メインスイッチがONであるとき、常に点灯します。

「ハード」「ソフト」インジケーター

電子制御サスペンションの設定を示しています。

電子制御サスはスイッチにより「ハードーAUTOーソフト」の3段階で切り替えることができます。AUTO以外が選ばれている場合に該当するモードのインジケーターが点灯します。

「非常用エアタンク」インジケーター

非常用エアタンクからエアを供給していることを示すインジケーターです。

大型バスのクラッチは、圧縮空気によって踏力がアシストされています。エア圧が低下しているとアシストが不十分となり、クラッチが踏みこめなくなることがあります。

そこで、エアロバスにはサブエアタンクが装備されています。万が一、空気圧が低下している状態でクラッチを踏み込んだ場合、自動的にサブタンクに切り替わり、クラッチの踏力を一時的に補助する仕組みになっており、このとき非常用エアタンクインジケーターが点灯します。

エアドライヤ

エアドライヤーのヒーター作動中に点灯します。

エアドライヤーとは、エア回路の結露を除去するための装置です。コンプレッサー停止時に少量のエアとともに凝縮水を排出し、エア回路を乾燥状態に保つ役割を担います。

エアドライヤーは内蔵している乾燥剤により、エア回路を除湿します。温度が低くなると、除湿能力が低下するため、寒冷時に乾燥剤を暖めるためのヒーターが内蔵されています。このヒーターが動作しているときに点灯します。

ニーリング

ニーリング中に点灯します。

ニーリングとは、バスの出入り口側のエアサスを下げる機能のことです。エアサスの高さを下げることで、出入り口の段差を減らし、お客さんが乗降しやすくします。

不経済走行

シフトアップを促すインジケーターです。設定した回転数よりも高い回転数になると点灯します。

あらかじめ、メーターパネル裏側にあるダイヤルで回転数を指定しておきます。指定した回転数以上になると、「不経済走行」インジケーターが点灯し、運転手に早めのシフトアップを促すというものです。オーバーレブ(過回転)とは別で、任意の回転数で警告することができます。

ブザーも同時に吹鳴します。

コールドスタート

コールドスタートスイッチがONになっていることを示します。

メインスイッチとなりにある「コールドスタート」というスイッチをONにすると、排気ブレーキやエアヒーターが作動し、暖気を早めることができます。エンジン始動時にも使用することができ、エンジンをかかりやすくするのにも使われます。

予熱

予熱ヒーターがONのとき点灯します。寒冷時、スターターキーをONにしたときに点灯します。

ビーム

ハイビームのインジケーターです。ハイビーム中に点灯します。

前輪制動コントロール

前輪制動コントロールスイッチ(いわゆるLQバルブ)がONになっているときに点灯します。

LQバルブをONにすると、前輪のブレーキ力が最大8割ほどに抑えられます。これにより、凍結路や雨天路でのタイヤロックを防止することができるというものです。

オプション設定のため、装備されていない場合もあります。

ABS・ASR

「アンチスピンレギュレーター」のことです。ASR作動中に点滅します。

ASRとは、アクセルの踏みすぎによるタイヤスピンを防止する装置です。過剰な加速でタイヤがスリップしている場合、エンジンの出力を抑制し、スリップを防止します。

作動中や故障時のほか、走行前にも点灯します。

これは走行するまではABSとASRの自己診断が完了しないためです。エアロバスには、ASRとABSの自己診断機能がついていますが、いずれも走行することで最終チェックが完了する仕組みになっています。そのため、一定以上の速度で走行するまでは、点灯していても問題ありません。メインスイッチを切ると、再び走行し自己診断が行われるまで点灯したままになります。

排気ブレーキ・パワータード

排気ブレーキ・パワータード(圧力開放ブレーキ)作動中に点灯します。

排気ブレーキランプは、スイッチONでつねに点灯します。パワータードは作動中のみ点灯します。クラッチOFFや低速走行などでキャンセルされている間は消灯します。

※車種により異なることあり

警告(故障や異常を知らせるもの)

赤色のインジケーターは警告灯となっており、なんらかの故障が起こっていることを示します。

とくに重要なものについては、大音量のブザーが吹鳴します。

エアフィルタ

エアクリーナーのフィルターが目詰まりを起こしているときに点灯します。

制動灯・尾灯

制動灯・尾灯(ブレーキランプ)が切れている場合に点灯します。いわゆるランプチェッカーです。

フィンガ空気圧

フィンガーシフトの動作に必要な空気圧が供給されていない場合に点灯します。

充電

バッテリーの電圧が低下している際に点灯します。

ブレーキ

ブレーキ摩耗の警告です。ブレーキパッドが摩耗している場合に点灯します。

トランクリッド

トランクが開いている場合に点灯します。「ピピピ…」というブザーが吹鳴します。

オーバーヒート

水温計がレッドゾーンに入ると、点灯します。大音量でブザーが吹鳴します。

空気圧

オーバーヒート同様、空気圧計がレッドゾーンに入ると点灯します。ブザーも吹鳴します。

冷却水

油圧

油圧の低下を示します。エンジン停止時は点灯しても異常ではありません。

エンジンコントロール

フィンガーコントロール

フィンガーコントロールトランスミッションのコンピューター異常です。

電子制御サス

電子制御サスペンションコンピューター異常です。

装備されているブザーの種類について

エアロバスの運転席には、主に5つのブザーが取り付けられています。

  • 警告ブザー
  • オーバーレブブザー
  • フィンガーコントロール用ブザー
  • トランクリッド開放ブザー
  • ニーリングブザー

警告ブザーはいちばん音量が大きいブザーです。オーバーヒートや空気圧といった赤色警告灯とともに吹鳴します。「プー」という連続音が発せられ、大音量で異常を知らせます。

回転オーバーブザーも同様で、タコメーターがレッドゾーンに入ると、タコメーター内のランプと同時に吹鳴します。「ピー」という高い音です。

フィンガーコントロールのブザーは、小さく高い音で吹鳴します。異常があれば「フィンガーコントロール」警告灯が表示されますが、クラッチ浅踏みでギアチェンジが行われなかった場合は、何も表示されずブザーのみ吹鳴します。

フィンガーシフト車でギアチェンジしたときにブザーがなった場合は、クラッチの浅踏みが原因です。もう一度クラッチを踏み直すと、治ることが多いです。

トランクリッド開放ブザーは、トランクを開けている間吹鳴する「ピコピコ」という連続音が発せられるブザーです。このほか、ニーリング時に吹鳴するブザー「ピ・ピ・ピ…」(断続音)もあります。

まとめ

ふそうエアロバスMS8系のメーター表示灯についてまとめました。

※一部説明に誤りを含んでいる可能性があります。誤りを見つけた方はお手数ですが、お問い合わせページからお知らせください。

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