人気のルーター向けカスタムウェア「OpenWRT」について、使用してみた率直な感想を紹介します。
OpenWRTとは?
OpenWRTとは、市販されているルーターやアクセスポイントにインストールできるOSの一種です。
市販のルーターやアクセスポイントは販売元が開発したOSが搭載されています。OpenWRTはそうした市販のネットワーク機器に互換性のあるOSとなっており、ファームウェアを流し込むことでOSをOpenWRTにすることができます。
OpenWRTはVPNやNASといった純正OSには含まれない様々な機能が搭載されているため、マニアがインストールして楽しんだりしています。
以前は自分も使っていましたが・・・
私も過去に、使用していたルーターやアクセスポイントにOpenWRTをインストールしたことがあります。
以前の記事でも、バッファローのアクセスポイントにOpenWRTをインストールする方法について取り上げてみたこともあります。
しかし、現在はめっきり使わなくなってしまいました。
高機能だがバグが多い
なぜOpenWRTを避けるようになったのか。
理由はシンプル。バグが極めて多く、不安定だからです。
たしかにOpenWRTは高機能で便利な面もあります。ローカルのDNSサーバーを構築したり、ルーターのUSBポートを活用して、ファイルサーバーを構築したりすることができます。
やろうと思えば、SoftEtherをインストールしてVPNサーバーを組み込むこともできるようです。
ところが、実際に使っていると、機器との相性が顕著という問題がわかってきました。
OpenWRTの動作が確認できているルーターやアクセスポイントのリストは公開されています。しかし、実際にインストールして使用してみると、いつのまにかフリーズしていたり、通信できない状態になってしまったりといったトラブルが頻発。正常に動作しないことも多数ありました。
純正ファームに越したことはない
OpenWRTはLinuxベースで開発されていますが、そもそもルーターやアクセスポイントのOSは、パソコンやスマホのOSとは異なります。
ルータなどは組み込み開発と呼ばれる分野の産物です。Linuxが動いているとはいっても、パソコンとは異なり、メモリが数MBだったり、CPUもPCとは異なるARM系と呼ばれるものが搭載されています。
設計の自由度が低く、こうした製品のOS(純正ファームウェア)は、ハードウェアありきで開発されています。
つまり、ハードウェアの制約が厳しいため、専用設計されたOSでないでないと、正常に動作させるのが難しいのです。
もっとも、OpenWRT側もそういった事情は考慮して開発しているようです。できる限り、多くのメーカー・製品で動作するように配慮はされているようです。
しかし、製品ごとに専用設計されている純正ファームウェアのようにはいきません。どうしても安定性に問題が生じたり、バグが起こってしまうという現実があります。
OpenWRTにしか搭載されていない機能を使いたいなら仕方ありませんが、ふつうのルーターやアクセスポイントとして使いたいなら、素直に純正ファームウェアを利用したほうが賢明と考えます。
現在、バッファローなどの家庭用ルーターは、格段に完成度が上がっています。
当方、ヤマハルーターなどの業務用ルーターも使用経験がありますが、通常のルーターとして使う分には、業務用ルーターとパフォーマンスに大差はありません。
下手に改造するよりも、純正ファームのまま使ったほうがいいと思います。
まとめ
遊びで使うならOpenWRTでもいいでしょう。
でも、単純に機能を強化したいという理由でOpenWRTをインストールするのは、おすすめできません。動作が不安定になるリスクのほうが大きいです。
OpenWRTの導入を考えている方においては、目的やメリットを十分検討してから、インストールすることをおすすめします。
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