使われなくなった排水ポンプ場が展示館として公開されているというので行ってみた。

大型エンジンポンプが展示されている「江尻排水ポンプ展示館」。角田宇宙センターのすぐ近くにある。

内部には巨大なエンジンとポンプが。

角田市は市内の大半が平野であり、阿武隈川に囲まれていることから、水害が頻発した。

そこで整備されたのが江尻排水機場。江尻排水ポンプ展示館は、そんな排水機場の役割を後世に伝えていこうと整備された資料館である。



ただ、展示されているのは縮小されたレプリカとのこと。この場所で実際にこのポンプが稼働していたわけではない。

展示館入口にはポンプのカットモデルが展示されていた。

流体力学はシミュレーションだけでは正確な計算ができない。ましてや江尻排水機場が設立された当時はコンピューターもなく複雑な計算はできなかった。
そこで小型のモデルポンプを作成し、比例計算を行うことで、実機の排水能力や各種特性を算出したという。

当時の配電盤や小型ポンプ、

水害の時に使用したのだろうか、サイレンも展示されていた。

池貝製作所は19世紀から存在していた旋盤や大型エンジンを製造する歴史ある企業だったが、2001年に倒産し、最終的に中国系企業に買収されてしまった。

エンジンは池貝製作所製。350馬力、回転数はわずか230rpmという大型低速ディーゼルエンジンだ。

エンジンの始動は圧縮空気で行う。

反射して見づらいが、巨大なピストン。実際のエンジンはこの展示の1.5倍の大きさというのだから、ものすごいデカさだ。


ポンプは酉島製作所製だった。場内に展示されている小型ポンプもすべてトリシマポンプ。

排水機場の展示もたくさんあるが、酉島製作所によるポンプの解説も豊富だった。

配電盤などの電気設備は明電舎のものが多かった。

江尻排水ポンプ展示館。角田市の歴史だけではなく、技術的な解説も面白い展示館だった。自由研究のテーマにもいいかもしれない。


