エブリイにFFヒーターを取り付けてみた。

実際に取り付けたのは昨年11月頃だが作業途中の写真を撮っていたため、今後取り付ける方のために紹介したい。エブリイ車中泊での使用感も述べる。
用意するもの
FFヒーター
今回取り付けたのは「リョクエン」のFFヒーター。暖房能力5kWの12Vモデル。軽油炊き。

FFヒーターとは室内の空気を汚さずに暖房できるヒーターのこと。給排気管を室外に出すことで、室外の空気を使って燃焼し、排ガスも室外に排出してくれる。燃焼室は完全密閉されており、間接的に室内気を温めるので、有害なガスが車内にたまるということがない。
※写真は24Vモデル。実は24Vモデルを誤発注し、後から12Vモデルを再購入した。24Vモデルはヤフオクで5000円で売った。

付属品はこんな感じ。配管類や燃料ポンプなど一式付属している。

コントロールパネルは新型のもの。ワイヤレスリモコンも付属しており、ペアリングすれば離れたところからヒーターを制御可能。エンジンスターターみたいに結構離れていても使える。
取扱説明書はスキャンしておいた⇒ リョクエンFFヒーター取扱説明書.pdf
ポータブル電源
FFヒーターの電源にはジャクリのポータブル電源「PORTABLE POWER 400」を用意した。


”ポータブル電源ではFFヒーターの起動ができない”という情報を目にするが、ジャクリ製のポータブル電源であれば起動できる。少なくとも手元のJACKERY PORTABLE POWER 400では正常に起動できることを確認できている。
シガーソケット
ポータブル電源の12Vシガーソケットに差し込んで配線を取り出すのに使う。

端子台
シガーソケットの配線とFFヒーターの電源線の接続に使用する。近所の建材屋さんで購入してきた。500円くらい。

燃料用チューブ(内径7mm ※たしか)
燃料用チューブは付属しているが、別途購入がおすすめ。
付属品は信頼性が乏しい。万が一漏れると引火する、ことはないかもしれないが、灯油まみれになって悲惨な状況となる。コーナンでキジマ製の燃料用チューブを購入した。
コルゲートチューブ
燃料チューブの保護用に購入。コーナンで購入。
ワイヤークランプ
燃料チューブの取付部固定に使う。コーナンで購入。
さっそく取り付ける
では取り付けます。まずはクルマに穴を開けます。
取り付け位置を決める

その前に慎重に穴開けの位置をシミュレーション。
給排気管の位置にあわせて、車内の床に穴開けする。
なお、取り付け箇所は大分悩んだ。ホントは後部座席下の収納スペースに取り付けたかったが、給排気管の取り回しが難しそうだったため諦めた。床下のスペースに余裕がある車両後部に取り付けることにした。(※ちなみにこのエブリイは2008年式のDA64V JOINターボ。床下の設計はDA17では異なる可能性あり。)

穴開け
型紙をつくり、印を付ける。

- 給気
- 排気
- 燃料パイプ
- 固定用ネジ穴(4箇所)
のすべての位置が正しいことを確認。
床面の凹凸にベースプレートが干渉してしまうので、ジグソーでプレートを切る。

ステンレス用のジグソーブレードをコーナンで買ってきた。

もの凄い音を立てながら、プレートを切断。C5-dipになりたくなければ耳栓しましょう。切断したら位置合わせ。

テープで仮固定。

プレートを切らず、床面の凸のところでビス留めしてもよかったかもしれない。
車体下に十分なスペースがあることを確認する。シャーシを傷つけないように注意。

当作業一番の山場、穴開けを開始。まずは鉄鋼用の細いキリで穴を開ける。

下穴が空いた。

穴開けができたらタケノコ(ステップドリル)に切り替えて、穴を広げていく。


事件発生。水抜き穴の蓋が取れた。

仕方ないので給排気管に干渉する部分を穴開けしていく。

穴開け完了。
FFヒーターを設置する

FFヒーター本体を仮付け。車両と給排気管が干渉しないことを確認する。

上手くはまった。

ネジで本体をプレートごと固定し、さび止めのため塗装しておく。(自分は適当なスプレー缶で塗装したが、ホントは耐熱塗料の方がよい)

排気管の口部分とプレートと床面のスキマは耐熱パテで塞いでおく。ホルツのファイアガムもしくはセメダインの耐火パテがよいらしい。自分はセメダインのパテを使用した。(ファイアガムも買ったが、いくらチューブを押しても中身が出てこず使えなかった。材質はファイアガムのほうがよさそう。セメダインのパテはボロボロする。出て来ないから仕方ないが。)
燃料チューブを接続
燃料用の穴を開けていく。


チューブを通す。

ワイヤークランプで締め付け。

コルゲートチューブで保護。

最初にコルゲートチューブに通してから燃料チューブを通した方がよかったかもしれない。コルゲートに入れるのが結構大変だった。
排気管を固定する

排気管はマフラーに固定した。
なお、ホントは配管を耐熱塗料で塗装した方がよい。さもないと融雪剤ですぐにボロボロになる(実体験)。
燃料ポンプを設置
適当な台座を作り燃料ポンプを取り付ける。
燃料ポンプは稼働時の「カチカチ」音と衝撃がかなり強い。付属のラバーを介して取り付けても、衝撃が響く。よって、結束バンドで吊下げる方式にした。(写真ではよく見えないけど)

燃料タンクは市販のガソリン用携行缶を使った。使うときは空気抜き穴にチューブを差し込む。使っていないときは携行缶を閉じ、チューブを空き缶に差し込んでおく。
リモコン・ハーネスを接続
繋がるところに繋げればOK。
完成形


いい感じ。
さっそく使ってみる
さっそく使ってみよう。
ポータブル電源の12VスイッチをONすると、「電源入れるには電源ボタンを押してください」とリモコンがしゃべる。

初回はエア抜きが必要。「▼」を長押しして、エア抜きモードにしてポンプを運転させ、配管内に石油を充填する。ヒーター手前10cm位のところまで燃料が来たらエア抜きを終了する。
充填が完了したら、スイッチON。
ONするとまずは余熱が始まる。余熱中は100~110W程度の電力を消費する。ポタ電では起動に失敗するという情報もあったが、手持ちのJACKERY PORTABLE POWER 400では問題なく起動できた。

1分半ほどで余熱が完了すると、燃料ポンプが動作開始。燃料が予熱されたバーナーに到達すると気化し、数秒で点火する。
最初は白煙が出るが、2回目以降の起動では白煙は発生しない。すぐに起動するようになる。
なお、配管内にエアが混入していると失火したり、点火に失敗する場合がある。燃焼音が聞こえず白煙が発生する場合は点火失敗しているので、その場合は一旦電源をOFFにする。クーリングが終了したら再度ONにし、点火するまで繰り返せばOK。
なお、点火に失敗したままONし続けると、燃焼室内に燃料が過剰供給され「カブる」可能性があるので注意。リモコンの[設定]ボタンを1回押すと燃料室内の温度を確認できる。温度が下がっていく場合は確実に失火しているので、すぐにOFFし再点火するのがおすすめ。
感想
めっちゃ暖まる。
氷点下の中車中泊してみたが、あっという間に室温20度まで到達。もはや暑い。

この記事を作成している現在、すでに6泊ほど使用しているが大方問題なし。燃料ポンプの「カチカチ」音がうるさかったが、吊下げ方式にしてからは自作のベッドや車体に振動が響くこともなくなり、就寝時も快適に使用できるようになった。
車内を閉め切って使うと明らかに暑すぎるため、運転席と助手席の窓を明けて使うのがベスト。寝るときはダクト(市販のアルミダクトφ65mmx3mを取り付けた)を運転席側に出してカーテンで仕切り、手動モードで最低能力にして使うとちょうど良い感じだった。
また、FFヒーターは起動時に電力を消費するため、無駄な消費電力を省くためにも一晩中付けっぱなしで使うようにしている。断熱していない軽バンではヒーターを消すとすぐに車内温度が下がってしまうし、最小能力で使うなら消費電力は5~7W程度(実測)。400Whのポータブル電源では、9時~翌朝7時まで使って10%~15%くらいの電力消費で済む。
燃料消費も仕様表に基づくと10時間使って約1Lと僅か。変に付けた消したするよりもずっとONでよさそうだ。暑くなりすぎたら少し扉を開けて換気するとスッキリしてよい。
課題
少し気になるのは燃料系。
車中泊地点に到着したらその都度燃料チューブを携行缶に差し込んでいるが、手袋をしているとはいえ手が汚れやすいし、この手間を排除できればより快適に使えるはず。また、チューブが長すぎたようで配管内にエアが入り込みやすいのも難点。一回エアが入るとなかなか抜くのが大変で、点火に手こずることが何度かあった。
シーズンオフになったら配管長を短くし、可能であれば燃料の吸い出し方法も改良したいと考えている。


