バスのエンジンはどこにある?意外と知らないバスのエンジンルーム
前回は一般的なバスのエンジンルームについて解説してきましたが、例外的に一回り大きいエンジンルームを備えたバスもあります。
それが「フルノンステップバス」や「TypeB」と呼ばれているノンステップバスです。
例えば、こちらのバス↓

前を走るバスがフルノンステップバス(「タイプB」ともいう)です。

車体後部をよ~く見てみると、車外にせり出している部分があることに気づきます。

実はこの部分すべてがエンジンルームになっています。
初期のノンステップバスは技術的に難しく、車内空間を犠牲にして、車両後部に大きなエンジンルームを備える方式がとられていました。
一方で、現在のノンステップバスは車両後方に階段がありますが、「フルノンステップバス」はエンジンルームを車両後方に集中させることで、車内の段差を一掃することに成功しています。
日本最古のノンステップバスはものすごくデカかった!
日本ではノンステップバスは1990年代に製造が開始されました。
しかし、当時は技術的な制約で足回りが大がかりになってしまい、十分なエンジンスペースを確保することが困難でした。
そのため、車体後部のほぼ全面をエンジンルームに割り当てたバスが製造されていました。エンジンは横置き(進行方向と垂直向き)に設置されており、座席の下ではなく後ろにすべての機関が収められています。
下の写真は、日産ディーゼルが開発・販売していた初期のノンステップバスです。


1997年ごろに設計されたノンステップバスですが、非常口より後ろのスペースがすべてエンジンルームになっています。驚くほど大きいことがわかりますね。
現在のノンステップバスは、エンジンルームを座席下に潜り込ませる形に変更されています。エンジンルームを小型軽量化し、車体下に寄せたことで、整備性の向上や追突事故時の安全性向上に寄与しています。

車内の段差が増えてしまったり、車高が低くなってしまい、車内からの眺めが悪くなってしまうという副作用はありますが、これらについても最新のバスは改良が進んでおり、ほぼ解消されています。

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