今回はデンソーバスエアコンの知られざる機能「回送モード」について解説します。運転席を集中冷房することができる便利機能です。
使い方と注意点をまとめました。
回送モードとは?
「回送モード」とは、デンソー製バスエアコンに搭載されている機能のひとつで、運転席を集中的に空調することができる機能のことです。
おもに回送時の運転席を快適にするための機能で、とくに猛暑の際に効果を発揮します。
どういった効果があるの?
回送モードにすると、運転席を中心としたスポット空調に切り替わります。
たとえば、運転席付近のエアコン風量が最大になるように最適化されます。
デンソーバスエアコンには天井ダクト内に「クールファン」と呼ばれる補助ファンが装備されています。回送モードにすると運転席側のクールファンのみが作動し、客席のクールファンが停止します。
これにより、運転席への風量をより多くするようにしてくれるのです。
また、温度センサーも運転席にもっとも近いセンサーが優先的に使用されるようになり、運転席がより設定温度に近づくようにエアコンを制御してくれます。
おもに冷房時に効果を発揮しますが、暖房でも使うことができます。
回送モードにするには?
それでは、回送モードにする手順を紹介します。
とはいっても、かんたんです。エアコンコントロールパネルにある[ゾーン]ボタンを繰り返し押すだけです。
「回送」と表示されれば、回送モードに切り替わっています。
【注意】お客さん乗車中に使うのはおすすめしない
ただし、運転席が快適になるからといって、お客さんが乗車しているときに使うのはNGです!かえって暑くなります!
回送モードになっていると、客席側のエアコンが抑制されてしまいます。
客席のエアコン風量が下がってしまったり、温度調節も車両右側の温度で行うようになるため、車内の快適性が維持されなくなります。
回送モードはたんに運転席を快適にするためではなく、回送中の車内空調をひかえめにすることで、燃費を向上させる効果を狙っている機能でもあります。
なので、お客さんが乗っている状態で使うと、十分な空調性能を発揮してくれず、逆効果となります。
苦情の原因になるだけではなく、お客さん乗車中に回送モードにしてしまうと車内温度が上がり、結局は運転席も暑くなってしまうため、回送モードはその名の通り、回送中だけ使うようにしましょう。
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