いすゞのバスにしか搭載されていないナゾのスイッチを紹介します。コレがわかれば、あなたは変態級バスマニア間違いなし。
Question「このスイッチの役割を答えよ」
そのスイッチがこれです↓
いすゞのバス(エルガ・エルガミオ・ジャーニー・キュービック)には、ほぼ100%装備されています。
メーターパネル横のスイッチパネルやメインスイッチ横に装備されていることが多いです。
現行のいすゞエルガからは押しボタン式に変わっています。
さあ、なんのスイッチか分かりますか?
よくある間違い①「排気ブレーキのスイッチでしょ?」
残念。違います。
排気ブレーキのスイッチは左コラムレバーに搭載されています。
上に傾けるとOFF、下に傾けるとONです。
よくある間違い②「排気ブレーキを無効にするスイッチでしょ」
たしかに排気ブレーキのマークに「CUT」と書いてあるので、排気ブレーキを無効にするスイッチに見えます。
おそらく一番多い誤答だと思われますが、違うんですよね。
よくある間違い③「排気ガスを止めるスイッチでしょ」
スイッチひとつで、環境に、他人に優しくなれる。
そんなスイッチがほしいものですね。
違う!
ヒントはいすゞのバスの仕様表にある
ここでヒントです。いすゞのバスの仕様表を見てみましょう。
↑いすゞエルガの仕様表から持ってきました。
このなかに答えが隠されています。わかるかな?
補助ブレーキの欄に注目です!
排気ブレーキ連動とは?
排気ブレーキ連動という機能をご存知でしょうか?
排気ブレーキ(リターダ)連動とは、フットブレーキを踏んでいる間、自動的に排気ブレーキが作動する機能のことをいいます。
コラムレバーの位置が補助ブレーキOFFになっていても、フットブレーキに連動して自動的に排気ブレーキが作動し、制動を補助してくれるわけです。
一般的に車重が大きい大型トラックに搭載されている排気ブレーキ(リターダ)連動機能ですが、大型観光バスにも装備されている車種はあります。
例えば、現行の日野セレガにも装備されており、運転席右のスイッチボックスにリダーターのマークとともに「AUTO」と記載されているスイッチがあります。このスイッチをONにしますと、連動機能が作動します。
いすゞのバスはデフォルトで排気ブレーキ連動する
多くのバス・トラックでは、排気ブレーキはフットブレーキに連動しないのがデフォルトです。
つまり、コラムレバーを操作することで、排気ブレーキのON⇔OFFを切り替えます。フットブレーキを踏んでも、連動スイッチをONにしない限り、自動的に排気ブレーキが作動することはありません。
しかし、例外的に、いすゞのバスはデフォルトで連動するようになっています。
仕様表にある「フットブレーキ連動式」とは、フットブレーキを踏むと自動的に排気ブレーキが作動するということを意味しているのです。つまり、デフォルトで排気連動ONの状態になっています。
正解は・・・「排気ブレーキ連動解除スイッチ」
コレでわかりましたよね?
ふつうのバス・トラックは連動させるためのスイッチが搭載されています。
しかし、いすゞのバスはデフォルトで連動しているので、排気ブレーキ連動を解除するためのスイッチが必要になります。
そう、あのスイッチの正体は「排気ブレーキ連動解除スイッチ」です。
「排気ブレーキ連動解除スイッチ」と呼ばれる当該スイッチをONにすると、排気ブレーキのフットブレーキ連動機能が解除されます。
このスイッチをONにしておくことで、コラムレバーで排気ブレーキをONにしているときだけ排気ブレーキが作動するようになります。
つまり、スイッチをONにすると、ほかのメーカーのバス・トラックと同じように、純粋にコラムレバーで排気ブレーキのON・OFFを切り替えられるようになります。
なぜこんな仕様になっているのかはホントにナゾですが、これはいすゞキュービック時代からの伝統です。ブレーキが弱かった時代の名残なのでしょうか?
この「排気ブレーキ連動カットスイッチ」は現在も受け継がれており、現行のいすゞエルガにも装備されています。
まとめ
今回はクイズ形式としてみました。
整備書では基本的にOFFにするように書いてある当該スイッチ。
しかし、「フットブレーキの効き始めがキツイ」というときは、ONにしておくと運転しやすくなるかもしれません。