レッツノートで非純正のACアダプタを使用すると、「製品に同梱されているACアダプターをご使用ください」というエラーメッセージが起動するときに表示されることがあります。起動のたびに表示されるため、ウルサイですよね。
しかし、そもそもレッツノートはどうやって非純正のACアダプタを見分けているのでしょうか。
警告を回避する方法を考える手始めとして、レッツノートが純正アダプタを認識する方法を研究してみました。
秘密はプラグとジャックにある
まずはレッツノート純正ACアダプタのDCプラグ(パソコンに差し込む端子)をよく見てみましょう。
端子をよく見ると、ふつうのACアダプタにはない黒い線が入っていることに気づきます。
テスターで抵抗を測定してみると、絶縁体であることがわかりました。
さらに本体のDCジャックを覗いてみます。
ちょっと見づらいですが、接点が3つあるのが分かりますか?
本来は+と-の2つあれば十分です。もう一つ接点が追加されていることがわかります。
プラグの絶縁体の有無で検知している
レッツノートの電源プラグ・ジャックを精査してみて、通常の規格とは2つ異なる点が判明しました。
推測ですが、おそらくこれこそがレッツノートが純正アダプタを見分けられる秘密だと考えられます。
あらかじめ純正アダプターのプラグに取り付けられている黒い線(絶縁体)をレッツノート本体のジャックに追加されている3つ目の接点が検知しているのではないでしょうか。
通常出回っているDCジャックには、純正品にあるような絶縁体は取り付けられていません。通電するにはプラス端子とマイナス端子の2つさえあればよいので、無駄な絶縁体を取り付けるメリットがありません。
レッツノートのDCプラグも一般的な規格に準じた仕様となっています。しかし、そこに一手間加えて接点を増設し、プラグにも絶縁体を追加することで、ACアダプタの純正・非純正を区別できる仕組みとしているものと考えられます。
互換品でも警告を回避できるかもしれない
ということは、プラグに絶縁体を取り付ければ、起動時の警告メッセージも回避できるのではないかと考えられます。
純正品と同じ位置に絶縁体を貼り付けてやれば、おそらく回避できるでしょう。
ただ、実際にやるとなると、少し難しいかもしれません。どのような素材をどのようにプラグに取り付ければよいのか、安全性に問題はないのかなどの懸念があります。
今のところ純正アダプターをメインで使用している自分は警告に悩まされることはあまりないのですが、ぼちぼち実効性のある警告回避方法を考えていきたいと思います。
・・・と、ここまでが当初の記事内容ですが、違ったようです。
【追記】1-Wire通信の可能性が高い
久しぶりにWordPressの管理画面を確認したら、この記事にコメントがついていました。
1-Wire通信が正解だと思う。
まったく知らなかったのですが、世の中には1-Wireという通信規格があるらしいです。
調べてみると、GNDと1本の信号線だけでシリアル通信可能な規格とのこと。低速だが、電源供給も信号線から行うことができ、最大で500m離れていても通信できます。
ICのコストも安く、温度センサなど安価なデバイスに使われているとか。
インクカートリッジの基盤との通信や電気メスなど、ディスポーザブルな製品にもよく採用されているみたいですね。
▼こちらの記事によると、DELLのACアダプタにも採用例があるらしいです。
回路をいじって10年前のノートPCの「ACアダプター識別機能」を自力で回避してしまった猛者が現る – GIGAZINE
以上を踏まえると、レッツノートのアダプタについても、この1-Wireという規格でPCとACアダプタが通信することで、正規品か判別している可能性が高そうです。
絶縁体の有無で検知するだけかと思っていましたが、さすがにそれでは芸がないですよね。
かんたんにモノが作れてしまう現代です。プラスチック片ひとつで偽造できてしまうとなれば、模造品がポンポン作られてしまうはず。
おそらく絶縁体で区切られた先端側が1Wireの信号線になっており、PC側の接点と通信しているのが正しいところだと思われます(多分)。
勉強になりました。
コメント
1-Wire通信が正解だと思う。
機種は違うが以下が参考になるんじゃないか?
https://gigazine.net/news/20200529-dell-laptop-fix/