2024年3月、M2033は役目を終え、引退となりました。
⇒東日本大震災で寄贈された都営バス。役目を終える。 | バスにっき
フカヒレで有名な宮城県気仙沼市。
東京都からおよそ500kmもの距離がある気仙沼市ですが、なんと「都営バス」が走っております!
気仙沼市での長期出張中に撮影することができましたので、ご紹介します。
ミヤコーバスで活躍する支援車両たち
気仙沼市内の路線バスを運行しているミヤコーバス気仙沼営業所。
2011年の東日本大震災では、津波により甚大な被害を被り、営業所と車庫は全壊し、多くの車両を失いました。
そんななか、手を差し伸べてくださったのが、全国各地のバス会社のみなさんです。全国各地のバス会社から、数多くの車両がミヤコーバスをはじめとする被災地のバス会社に提供されました。
東京都交通局からも無償譲渡が行われ、当時の報道資料によると、宮城交通グループには実に60台ものバスが無償提供されました。現在も多くの車両が活躍をつづけています。
気仙沼を走るナックルカラー「M2033」
譲渡された車両のなかには、感謝の意を込めて、もともと所属していたバス会社の塗装のまま運行されているバスもあります。
そのうちの1台が2011年に東京都交通局から譲渡された宮城200か2033(M2033)です。
最初に譲渡されてから11年あまりミヤコーバス気仙沼営業所に所属する日野レインボー(KC-RJ1JJCK)のM2033。都営バスの緑色の塗装(通称ナックルカラー)のまま、現在も運行されています。
ホントは晴れの日に撮り直したかったのですが、都合がつかず、叶いませんでした。残念。
都営バス時代の社番はE880。もともとはAL01系統(東大島駅~小松川循環)の専用車として使用されていたようです。ところどころに当時の趣が残っているとか。
外見のみならず、仕様にも元都営バスならではの特徴があります。
まずはステップ。ツーステップ車ですが、よく見ると床の高さはワンステップとほぼ同じになっています。これは「らくらくステップバス」という都営バス独自の仕様で、ワンステップ車の段数をあえて2段にし、1段1段の高さを抑えたもの。乗り降りがしやすいようにと、都営バスが特注していた仕様です。
また、当時はまだ黎明期だったアイドリングストップも搭載しています。運転席上に装備されているラインクロスファンからも都営バスらしさが漂っていますよね。
方向幕もLEDに交換され、元気に気仙沼の地を走っておりました。
実は石巻にもいたナックルカラー
今回は気仙沼で撮影してきましたが、実はもう1台、ミヤコーバス石巻営業所にもナックルカラーのまま運用されていた車両がありました。それが宮城200か2028(M2028)です。
M2033と同型式のレインボーで、こちらも都営バス時代はAL-01系統の専用車でした。M2033にはない側面のワンポイントがトレードマークで、石巻市内の路線で頻繁に運用されていましたが、残念ながら2017年に廃車となってしまいました。
石巻にいたころは、この車両には数え切れないほど乗車していました。個人的にも思い出深い1台です。
ちなみに、ミヤコーバスでナックルカラーのまま運用されている車両は上記の2台だけですが、ミヤコーバスのカラーリングに再塗装されている車両もあります。こちらも導入当時に比べると数は減らしていますが、石巻地区や気仙沼地区を中心に、まだまだ主力で使用されています。
まとめ
ということで、今回は気仙沼を走る都営バスのご紹介でした。
石巻営業所のM2028の廃車により、現在1台モノとなってしまったM2033。KC代ということもあり、車齢はまもなく25年になろうとしています。
今のところ、ほぼ毎日運用入りしているようですが、そろそろ幕引きの日が近づいているのかもしれません。ミヤコーバスのカラーリングに塗り替えられた元都営バスのレインボーたちを含め、新車のエルガミオや元名鉄バスのエアロミディに置き換えが進んでいるようですので、拝んでおきたい方はお早めに。
いずれも天気が悪い日の撮影となってしまったのが悔やまれるところですが、撮影できただけでもラッキーだったのかなと思っています(^^)/
コメント