新たにニコンの単焦点レンズ「AF-S NIKKOR 35mm f/1.8G」を手に入れました。試写を兼ねて、夜景を撮ってきましたので、レポートします。
絞り値ごとの描写性能もテストしてみました。
久しぶりに「瞑想の松展望台」で撮影へ
仙台にはいくつか夜景スポットがあります。伊達政宗公が城を構えていた仙台城跡や仙台市中心地に位置する高層ビル「SS30」の展望スペースが有名ですが、いずれも休日だと人が多いのが難点です。
今回はじっくり静かに撮影したかったので、青葉区小松島にある「瞑想の松展望台」から撮影してみました。

「瞑想の松展望台」は、東北医科薬科大学の裏にあります。

大学のキャンパス内に向かう途中の道から曲がって遊歩道を歩いて行きます。

こちらが瞑想の松。高山 樗牛という偉人がこの松の下で瞑想したとの言い伝えから、「瞑想の松」と呼ばれるようになったそう。
ニコンの高コスパレンズ「AF-S NIKKOR 35mm F/1.8G」

こちらが新たに入手した「AF-S NIKKOR 35mm F/1.8G」。もともとD610(2万円で購入したもの)と中古の5018Gの組み合わせで撮っていたのですが、50mmでは少し狭過ぎるときがありました。そこで購入したのが3518G。SIGMA等とも比較しましたが、3518Gの評判の良さに押され、最終的に中古3.5万円でゲットしました。
なお、”撒き餌レンズ”とも呼ばれる「AF-S DX NIKKOR 35mm f/1.8G」とは異なります。フルサイズ対応の35mmです。名前は似ていますが、描写性能はまったくの別物で、天と地ほど差があるらしい。

さっそく愛用のD610をセットアップ。ブレを極力排除すべく、ミラーアップとレリーズケーブルも忘れずに。

いつも水平がズレているので、今回はカメラ内水準器を活用し、しっかり水平出し。ピントも厳密に合わせるため、ライブビューで撮影します。

三脚はベルボン「M45」という安物ですが、ブレ排除には十分な仕事をしてくれます。
問題は3way雲台なので、操作がややこしいこと。構図を変えようとしても、どのネジを緩めればいいか分かりにくいです。価格が安かったのでコレにしましたが、今思えば少し高くても自由雲台のM43を選ぶべきでした。

瞑想の松からの景色。遠目に仙台市中心部の高層ビル群が見えます。

瞑想の松は隠れ夜景スポットとして紹介されているサイトもあります。たしかに景色は綺麗ですが、夜景の美しさはSS30や仙台城のほうが上かなぁ。今回は滞在時間が長そうだったので、ここを選びましたが。

反対側の風景。泉方面はあまり見えません。

いざ夜景撮影!

| カメラ | NIKON D610 |
| レンズ | AF-S NIKKOR 35mm F/1.8G |
| 露出時間[s] | 15 |
| Fナンバー | 7.1 |
| 露出プログラム | 絞り優先 |
| 露出補正 | -2/3 |
| スピードレート(ISO) | 200 |

| カメラ | NIKON D610 |
| レンズ | AF-S NIKKOR 50mm F/1.8G |
| 露出時間[s] | 4.0 |
| Fナンバー | 8.0 |
| 露出プログラム | 絞り優先 |
| 露出補正 | -2.0 |
| スピードレート(ISO) | 200 |

| カメラ | NIKON D610 |
| レンズ | AF-S NIKKOR 50mm F/1.8G |
| 露出時間[s] | 1.6 |
| Fナンバー | 7.1 |
| 露出プログラム | 絞り優先 |
| 露出補正 | -2.0 |
| スピードレート(ISO) | 200 |
すいません。被写体が遠すぎて、結局いつもの「AF-S NIKKOR 50mm F/1.8G」でほとんど撮影してしまいました。。。

絞り値による描写性能の変化をテスト
結局あまり使わなかった「AF-S NIKKOR 35mm F/1.8G」ですが、これでは記事として物足りないので、開放からほぼ全段の絞りで試し撮りの結果も載せておきます。
ボディはニコンD610で非圧縮の14bit RAWです。絞り優先オートでF値を固定して撮影。ライブビュー拡大鏡でピントを合わせ、MFでピントリングを固定した状態で撮影しています。レンズ補正・色収差補正、ノイズ処理などはオフにしています。
F1.8(開放)

まずは開放のF1.8で。中央左10%くらいの位置を等倍で切り出しました。さすがにぼんやりした写りです。もっとも開放で撮影する際は明確な意図があるときに限られるでしょうから、開放の写りはたいした問題ではありません。
F2.8

ほぼ1段絞ったF2.8。凄いですね。F2.8でこのレベルです。全体的に立体感が出てきました。
画像処理を頑張れば、すでに使えそうな画質です。実際にはかなり薄暗い状態でしたが、1/640(ISO200)のスピードを確保できているのは、さすが明るい単焦点。
F4.0

さらに絞り込んだF4.0。
ここからが本領発揮といったところでしょうか。かなりクリアな画になってきました。すでに常用できるレベルに到達しています。素晴らしい描写力です。
F5.6

素晴らしいです。遠くに見える鉄塔の線までキレイに描写。F5.6まで絞れば、必要十分以上のシャープネスを確保できます。等倍観察でこの精細さ。F5.6にして十分すぎる描写性能を発揮してくれました。
F7.1

エクセレント。さらに引き締まった画になりました。絞るごとに如実に描写が改善していきます。
F5.6~F7.1くらいが夜景撮影のsweet spotのようですね。三脚を使った夜景撮影では、F7.1に合わせておけば間違いなさそうです。
F8

コマンドダイヤルを1ステップ回したF8。F7.1とほぼ変わらない印象です。わずかに線の描画が細かくなっているかも。F7.1からF8くらいが、このレンズの一番旨いレンジのよう。
F11

あまり使う場面はないと思いますが、F11での撮影結果。回折が目立たないのが驚きでした。これなら解像度低下を気にすることなく、ガンガン絞り込んでいけます。
まとめ
素晴らしいレンズですね。
自分の腕が追いついていない感じがします。宝の持ち腐れにならないよう頑張ります!

