仙台市営バス名物「東武顔キュービック」についてまとめてみました。
2000年に仙台市営バスへ導入された6台の東武顔キュービックですが、21年たった今でもまだまだ主戦力として活躍しています!
S208については2024年3月末をもって廃車となるようです。
4月に行われる予定の撮影会の展示車両リストに入っています。
東武顔キュービックとは?
いすゞキュービックといえばこのルックス!
かまぼこ形というか、なんというのか。前方に突出した立体的な形状のフロントが特徴的ですよね。この特徴あるデザインに惚れ込んでいるファンも多いはずです。
しかし、一部のバス会社はこの形状を嫌っていました。
理由は「通常のデザインと異なるため、安全運転に支障がでるから」というナゾなもの。運転するのはプロですからね~ そんなこといったらコンフォートとニッサンクルー、アルファードなんてぜんぜん違うけど、ぜんぶ運転してるタクシー運転手いっぱいいるし。というか、るーぷるとか、もはや特殊車両だけどどうなるの~?と(笑)。
まあ、結局は出るものは打たれる的なことだったのでしょう。そういった理由で一部の事業者はいすゞ純正ボデーではなく、富士重工に架装したり、西日本車体に架装したりして導入していたのです。
しかし、時は2000年、いすゞもついに対応に乗り出しました。キュービックの純正ボディーに加え、オプションとしてジャーニーKの前面を架装したモデルを発表したのです。キュービック特有の1枚窓を廃し、ジャーニーK同様の左右分割2枚窓+横拭きワイパーとしたモデルが発表されました。それが東武顔と呼ばれるものです。
”東武顔”というのは正式な名称ではなく、主に東武バスが導入したためそう呼ばれるようになっただけのようです。かくいう東武バスもほとんどの東武顔キュービックが除籍となっているようで、現役の車両はかなり減っているとのこと。多くのバス会社は標準仕様で導入していたため、東武顔キュービックは生産台数が少なく、そもそもがレア車だったわけですが、時代の変遷とともに脱落し、現在はさらにレア度が増しています。
仙台市営バスに6台もいる!すべて現役!
そんな東武顔キュービックですが、実は仙台市営バスに6台もいます。
もともと仙台市営バスもキュービックの純正ボデーに関してはアンチ派だったようで、1990~1999年までのいすゞ車はすべて富士重工7Eで導入していました。1980年代は純正ボディーでしたが、少なくとも現存するLVは、すべて富士重工7Eボデーとなっています。
しかし新たな時代の幕開けとなったのが2000年。仙台市交通局はいすゞいすゞキュービック 東武顔仕様を6台新車導入しました。
全国的にもまれな東武顔キュービックですが、仙台市営バスは6台一気に新車導入。そして、それらすべてが21年たった今も現役です。迫力の重低音を奏でながら、今日も仙台市内を駆け巡っています。
仙台市営バスの東武顔キュービックたち
それでは仙台で現役生活を送る東武顔キュービックたちをご覧いただきましょう!
ナンバー | 所属 |
---|---|
203 | 川内営業所 |
204 | 長町営業所 |
205 | 長町営業所 |
206 | 川内営業所 |
207 | 川内営業所 |
208 | 川内営業所 |
画像をクリックすると、大きな画像で見ることができます!
仙台230あ207・208
持っている画像が多かったため、S207・S208から紹介します。
S207とS208は、近年まで白沢出張所に所属していた東武顔キュービックです。現在は川内営業所に転属となり、茂庭線から蒲生線までさまざまな路線に使用されています。
S207・S208の2台は、狭隘路路線がたくさんある白沢出張所に所属していたこともあり、バックカメラが装備されているのが特徴。仙台市営バスでは未だにバックカメラを装備していませんが、白沢に所属する車両にはバックカメラが取り付けられています。川内営業所に転属した後も取り外されずに使われているようですね。
S207については、導入以降ずっと白沢に所属していた車両です。昨年、20年来はじめての転属となりました。
前後に広告設置用パネルが装備されています。
S208は個人的にお気に入りな1台。センター試験のときもこいつに乗って帰ったりと、ことあるごとによく乗車できるバスでした。
白沢時代はときどき作並線や定義線に充当されていました。1度はこいつで定義まで行ってみたいなあと思っていましたが、結局叶わず。そこは残念でしたね~(T T)
現在、この2台については川内営業所の女性運転士さんが担当しているようです。仙台市営バスにも女性運転手さんが増えてきました。
仙台230あ204・205
おもに八木山・長町方面を担当する長町営業所。ここにも2台の東武顔キュービックが所属しています。
前面の写真が見つからなかったので、バックの写真を載せてみました。
東武顔キュービックといえども、おしりは通常のキュービックと同じ形状をしていることがわかりますね。ストップランプから上が前傾しているところが特徴で、このスタイルは当時の中型路線バス「ジャーニーK」においても見ることができたものです。東武顔キュービックについてもバックはそのままキュービックスタイルが維持されています。
ちなみに、車内についても同様で、フロントガラス以外は通常のキュービックとほぼ同じです。公式側のフロントガラス上部にあるネットも搭載されています。サイドウインドウないのに(^^;)
※ちなみにこのネットは日よけらしい
仙台230あ203・206
残りの2台、S203・S206は川内営業所所属の東武顔キュービックです。S207・S208が川内転属となる前からいる、川内営業所の古株さんですね。
仙台市営バスにおける東武顔キュービックの特徴として、ACT(エアコントロールトランスミッション)のエアー音が出るようになったこともあげられます。
それまでのいすゞ車(7E+LV280)にもACTは装備されていましたが、まだMTのエルガのような「バシュ!」というエアー音は出ませんでした。2000年以降になり、はじめて「バシュ!」という音が出るようになったんですね。それまでのACTは”スコッ”という操作音せず、仙台市営バスにあるいすゞ車についてもしかりでした。
しかし、今回紹介した6台の東武顔キュービックからは、ACTのエア音「バシュ!」が出るようになっています。東武顔だからというよりは年式的な問題ですが、こういうところも着眼してみると面白いです。
東武顔キュービックは仙台市営バス最後のLV280!
実は、2000年に導入された東武顔キュービックは、仙台市営バス最後のLV280でもあります。
ご存知の通り、2000年にいすゞキュービックが販売中止されてからも、LV280はしばらくのあいだエルガとして販売され続けていました。
しかし、仙台市営バスは2000年に導入した東武顔キュービックを最後に、フルノンステップバス(LV834・エルガTypeB)の導入を選択しています。2000年の東武顔キュービックを最後にして、LV280の導入は行っていません。したがって、東武顔キュービックは仙台市営バスにおける最後のLV280ということになりました。
今や導入から20年以上経過している古参車になってしまった東武顔キュービック。しかし、さすがはV8キュービック!20年くらいではまったくへたることもなく、元気ハツラツな走りを見せてくれています。
まとめ
東武顔キュービック特集と題して、仙台市営バスの東武顔キュービックについてまとめてみました。
20年経っているとはいえ、6台ともまだまだ元気な様子です。西花苑や葛岡霊園の急坂もスムーズに登って行けており、現在も8PE1の粘り強い走りは健在です。
さらにうれしいことに、これら6台はバリバリの主戦力として運用に入っていているため、だいたい毎日目撃可能です。以前は川内営業所にS203・S206、長町営業所にS204・S205、仙台市のはずれにある白沢車庫にS207・S208の2台という配車になっていましたが、昨年(←たしか)、S207とS208が白沢から川内営業所に移転となりました。結果、仙台市中心部を主に担当している川内営業所に4台の東武顔キュービックが大集結することになり、以前にも増して仙台駅周辺で目にする機会が増えました。
ですので、乗るなら・撮るなら今がチャンスです!元気なうちにたくさん乗って・撮っておきたいものですね。
ちなみに東武顔キュービックがよく来る路線としては、
- 739・839系統「交通公園循環線」
- 760・860系統「折立・西花苑線」
- 899・999系統「北山・子平循環線」
などが狙い目です。
また、意外とよく来るのが楽天シャトルバス!
だいたい毎回運用入りしているうえ、運行時間帯がきまっているので、撮りやすいですよ~♪
これからも元気に長生きしてくれることを祈ります!!
バスマガジンVol.111にしずてつジャストラインの東武顔キュービックが取り上げられています。
興味のある方は読んでみてね♪
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