昨年10月から11月にかけて、久しぶりに石巻に滞在していました。
以前は毎日のように乗っていた石巻のミヤコーバスですが、仙台へ来てしまったことでめっきり乗らなくなってしまい、そのまま6年の月日が流れてしまいました。
個性的なバスがたくさんあるミヤコーバス石巻営業所。しかし、以前紹介したとおり、最近は新型エルガミオへの置き換えがどんどん進んでいます。昔乗っていたバスもだんだんと数を減らしており、今回を逃すと一生乗れない車両もありそうだったので、思い出深い車両をメインに可能な限り乗りつぶしてきました。
- M2073 日野レインボー(東京都交通局からの支援車両)
- M2896 いすゞエルガミオ(LR290)
- M2051 日野レインボー(東京都交通局からの支援車両)
- M2968 三菱ふそうエアロミディ
- M2620 いすゞエルガミオ(LR290)
- M2525 いすゞエルガミオ(LR290・アイシンATモデル)
- M2482 いすゞエルガミオ(LR233)
- M2009 三菱ふそうエアロミディ
- M2699 日野レインボーⅡ(KR290)
※「M」は「宮城200か」を示します。以下同様。
今回はこの6年間でのミヤコーバス石巻の変化について、紹介していきたいと思います。
【変化①】 ワンマン機器が最新型に!
まず6年ぶりに乗車していちばんの驚きはワンマン機器の更新でした。飛躍的な進化を遂げていました。
以前のミヤコーバス石巻は、クラリオンのオートガイドシステム(AGS)を中心に、車両ごとに異なる方向幕、整理券発行機、運賃箱が取り付けられていました。
メーカーとしては小田原機器のものが多かったと思います。LED式の行先表示器はLECIPのものもありましたね。
一応、送り動作は連動しているのですが、行先表示の設定や整理券のリセットは、始発ごとにそれぞれの機器を操作して、手動で行う必要がありました。また、一部の車両は戻り操作が連動しないこともあり、通過ボタンを誤って押した際などに戻しボタンを押すと、運賃表の表示だけずれてしまうようなこともよくあったものです。
それが、仙台と同じレシップのOBC-VISIONに刷新され、すべての操作がタッチパネルひとつで行えるように。仙台と同じシステムが導入され、一気に近代的なシステムに変化していました。
放送は音声合成に切り替わり、石巻あゆみ野駅や石巻駅前に差し掛かると、なんとちゃんと乗り換え案内まで表示されます。 凄まじい進化です。
思えば、6年前には石巻あゆみ野駅そのものがなかったんですよね。石巻西高校の前など田んぼしかなかったのに、今や立派な住宅街が出来上がり、すっかり周囲の眺望に馴染んでいます。当時は仙台石巻間の高速バスも石巻河南ICを経由していました。矢本経由 仙台・石巻行きというのもあって、あれはあれで便利だったんだけどなー
ちなみに仙台石巻線は一足早くレシップ化されており、2015年11月ころから機器の入替えが行われていました。2015年12月6日にICカード対応も開始されたのですが、偶然この日に仙台へ行く用事があって、記念すべき運用開始日の始発に乗車できた記憶があります。そのときはイクスカ持ってなかったから、現金で払ったんだっけかな。人生初の自動計算機能つき運賃箱を体験し、一瞬で計算ができることに驚愕した思い出があります。整理券とお金を同時に入れないようにしつこくアナウンスされていたあの頃が懐かしいです。
ちなみに六丁の目バス停の取り扱いもその日から始まり、本社の人が石巻駅に立ってて、
「(本社の人)六丁の目、間違わないでねー」
「(運転手)わかってますよー」
なんて会話を交わしてましたね~
変化② 全国トップクラスの旧型運賃箱からICカード対応の最新型に!
以前のミヤコーバスでは、全国トップクラスのかなり古い運賃箱を使用していました。
残念ながら自分で撮った写真が見当たらなかったので、画像を上げてくださっていたこちらのブログさんへリンクを張っておきます。
小田原機器の「超」がつく旧型で、紙幣両替機が別置きになっているという、現在ではかなり珍しいモデルです。
どうやって両替するのかというと、まず、1000円札を紙幣両替機に差し込みます。その状態で運転席側のキースイッチを操作すると、100円硬貨が5枚ずつ2回にわけて払い出されるというもの。両替が終わったら、1000円札を両替機の箱の中に投入します。
ちなみに、500円硬貨の両替にもちゃんと対応していました。ただし、こちらもやり方が特殊です。まず、両替機の紙幣投入口に給油カード(笑)を差し込みます。そして、その状態で1000円札のときと同じようにキースイッチを操作します。すると100円硬貨が5枚払い出されます。
別に差し込むものは給油カードでなくてもいいのですが、なにか差し込まないと動作しないようで、カード状のものを差し込む必要があるみたいです。だいたい運転席まわりにあるカードと言ったら、給油カードかデータカードくらい。データカードはまずいだろうから給油カードってことで、多くの運転手さんは給油カードを差し込んで両替してました。
年式としては1980年くらいのモデルだったのかな。もうセンサーがヘタっていて、硬貨を入れてもそのまま出てきてしまうことも多々ありました。
それが今やICカードリーダー搭載の最新機種です。隔世の感があります。
さらに宮城交通のいいところは、全国ユーザー数トップのSuicaをはじめ、さまざまなICカードに対応しているところでしょう。地方のバス会社がICカードを導入する事例は少なくありませんが、独自のICしか使えないということも結構あります。また、地方に限らず、例えばJRバスはicscaが使えなかったりと、大手でも相互運用に対応していないことが少なくありません。
そんななか、宮城交通は全国各地のICカードに対応しています。これって結構すごいことですよ~
変化③ 余裕たっぷりのダイヤ設定
あと以前とまったく違うのが、時刻表のダイヤ設定です。
だいたい多くのバス会社は、数分遅れで運行できる時刻設定にしていると思います。早発が絶対NGのバス業界では、あえて少し遅れるくらいの時刻でダイヤを組んでいることが多いですよね。以前のミヤコーバスも例外ではなく、ふつうに走ると数分遅れ、ぶん回して走ると定時運行くらいのダイヤ設定になっていました。
ところが、6年ぶりに乗ってみると、余裕たっぷりのダイヤ設定に。30km/hで走っていても、定時につくどころか、早発しそうになるほど大幅な余裕をもたせてあり、以前のようにぶん回して走る姿は目撃できなくなっていました。
100mちょっとしかないバス停間で1分もとってあります。ふつうなら考えられないほど余裕たっぷりの時刻設定です。
実際、のぞみ野のあたりは1停留所ごとに止まって時間調整していました。
まあこれは石巻に限った話ではなく、仙台圏の宮城交通でも当てはまるのかもしれません。市内線ばかりではなく、高速バスも90km/h巡航で十分定時に着くし、やはりあの事故以降、宮城交通グループ全体で余裕を持ったダイヤ設定に変更されているものと考えられます。運転手さんは早発に気を使わなければならず大変でしょうが、お客さんにとっては遅れも少なくなるので、こっちのほうがいいのかもしれませんね。
【変わっていなかった①】都営バスの中古がたくさん走っている
ここからは変わっていなかったところを紹介します。
まずは走っている車両。とくに都営バスの中古 日野レインボーですが、意外と今でもたくさん走っていました。
以前は都営バスの塗装のまま走っているバスもあって(宮城200か2028)、よく乗っていたのを思い出します。来たばかりの頃はまだ元気が残っていましたが、末期はFFシフトは勝手に抜けちゃうわ、窓は歪んでるわで満身創痍の状態に。残念ながら廃車となってしまいましたが、今思い返すと味のあるいいバスだったなー
石巻にいた頃お気に入りだったKC代の三菱ふそう エアロミディもご健在でした。こいつもなかなかいい音するんですよ~♪安定感もあるし、KC代特有の「ガチャッゴ!(クラッチつなげて)ツン!」というフィンガーシフト音も素晴らしいです。
朝8:20の山下循環に充当されていたので乗ってきました。先述の時刻表のこともあり、ぶん回しサウンドは聞けませんでしたが、6年ぶりのエアロミディサウンドに終始うっとり^^ そうそう、こういう感じだったよね♪深みのあるエンジン音が素晴らしい♪
神姫バスからの譲渡車両(日野レインボー ウナギロング)も元気に走っておりました。
ただ、以前の記事で紹介したとおり、エルガミオの比率は明らかに上がっていますね。着実に置き換えが進んでいます。
車両については、写真や動画もいろいろ撮ってきたので、あとで取り上げようかなと思っています。
【変わっていなかった②】運転手さん
なんやかんやいってキツイ、バス運転手業界。
実質労働時間は8時間を謳っていても、なかなかそのとおりには行かず、就職して1ヶ月足らずで辞めてしまう人も後をたたないといいます。6年も経てば、運転手さんの顔ぶれも変わっているのかなと思いきや、意外と変わっていませんでした。
若年層の運転手さんは知らない方も多かったのですが、以前からお勤めになっているベテランの運転手さん方はみんなご健在のようす。以前と変わらぬプロの技にお目にかかることができ、安心しました。やっぱり石巻の運転手さんはお上手です。カックンブレーキなんて絶対しませんからね~ マジで尊敬しますm(_ _)m
まとめ
仙台のせかせかした感じとは違い、石巻はとてもゆったりと時間が流れていきます。久しぶりに羽を伸ばすことができました。
個人的にはエアロミディに乗れたのが一番うれしかったかな。ふそう6D17エンジンをホント久しぶりに堪能することができました。以前はよく乗っていたので、懐かしかったです。
走行音も多数収録できましたし、楽しい出張でした!
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