たくさんの経路を覚えているバスの運転手さんも人間。ときには間違えることもあるかもしれませんよね。
当記事では、バスの運転手さんが万が一道を間違えたらどうするのかというテーマで紹介していきます。
勝手に復帰すると法令違反になってしまう!
路線バスはあらかじめ国土交通省に届け出した経路に従って走行することが法律により義務付けられています。
当然と言えば当然ですが、デマンドバスなどの特別な事例を除き、路線バスは定められた経路に従って走行するのが原則です。勝手に経路を変えてしまうのはもちろんのこと、万が一、決められた経路を外れてしまった場合にそのまま運行を続けたり、運転手の独断でもとの経路に復帰しようとしたりすると、道路運送法違反に問われます。
もちろん、特例の適用時を除き、お客さんがいないからと言って、終点に至る前に途中で運行をやめたりするのも違反です。
信じがたい話ですが、現実に途中で運行をサボっていたことが判明し、事業者が行政処分を受けた事例もあります。
地方の路線だともともと乗客が少ないこともあり、バレないだろうとやらかしてしまうケースもごく稀にあるようですが、路線バスが本来のルートを外れたり、勝手に運行を取りやめることは厳格に規制されており、厳正に処分されます。
じゃあどうする?道を間違えたときの一般的な流れ
では、万が一間違えてルートを外れてしまったら、どうするのでしょうか。
例えば、「左折しないといけない交差点を誤って直進してしまった!」なんて時。とくに都心部などでは、複雑で似通った経路をたくさん覚えていなければならないため、ときには間違えてしまうこともあるはずです。
一般的な路線バス会社での流れをまとめますと、以下のようになります。
間違ってルートを外れた場合でも、運転手の独断で復帰するのは法的にNGです。そこで、まずは会社の運行管理者へ無線などで指示を仰ぐことになっています。
バス会社には「運行管理者」というバスの運行管理を担当する有資格者が在籍しています。運転手の点呼や安全教育などを中心に業務を行っていますが、経路間違いなどの特殊な状況において運転手に指示を出す役割もあります。
経路誤りの旨を伝えると、運行管理者から「どこどこを通って、もとの経路に戻ってください」と指示が返りますので、バス運転者は指示された通り走行して、もとの経路に復帰します。あとは通常の運行となります。
ボクの地元の某バス会社の場合は、回送幕に切り替えてから復帰に入るルールになっているようです。
最近はワンマン機器も全自動が当たり前ですが、特別な操作を行うことで、方向幕だけ別のものにしたりすることができます。多くの会社では、経路誤りの際は手動で幕を回送にすることになっています。
法令上、経路復帰は回送と同じ扱いとなるようです。また、間違って乗車されるのを防ぐ意味でもそのようなルールになっているのでしょう。
あとは、車庫に戻ってから報告書の作成などがあったりするみたいですが、このあたりは会社によってまちまちかなと。
まとめ
今回は、バスの経路誤りについてまとめてみました。
さすがにGPS付きのドライブレコーダーが一般的になった現在、独断で復帰しようとする運転手さんはかなり減ったと思われます。しかし、以前は独断復帰がふつうに行われていたとか、いないとか。
ホントのこと言うと、普通にやってる人はいました。酷いケースだとふつうの路線バスで私有地に入っていって、勝手に転回した伝説の運ちゃんも。さすがに笑えないと思いますが。
最近では経路ミスが多いポイントに差し掛かると、チャイムを鳴らしたり、経由を音声で放送したりするような取り組みもよく行われています。進んでいる会社では、間違えやすいポイントに差し掛かると、運転士用のモニターに注意メッセージが表示されるところもあるみたいです。
各社、経路間違いをへらすため、さまざまな工夫を凝らしているようです。運転手さんを守るためにも、こうした取り組みはどんどん行っていってほしいですね!
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