世界的スキャナーメーカー「PFU」の業務用スキャナー「ScanPartner SP-30F」を購入してみました。中古で2台セット1円という破格で、購入当初ちょっとだけ不具合がありましたが、今ではバリバリ使える状態になり、書類や本のスキャンに大活躍してくれています。
ADF・フラットヘッド両対応の業務用スキャナー「SP-30F」
購入したのはPFUの業務用スキャナー「SP-30F」というモデルです。
スキャナタイプ | 自動給紙方式 (ADF) + フラットベッド (FB) |
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読取速度 ADF (A4縦) | 片面:30枚/分、両面:60面/分(200dpi/300dpi) |
読取速度 フラットベッド (A4縦) | 1枚約1.7秒(200dpi/300dpi) |
PFUの業務用スキャナーといえば世界トップシェアを誇る「fiシリーズ」が有名ですが、SP-30FはScanPartnerというシリーズとなります。あまり聞き馴染みのないシリーズですが、fiシリーズに比べ手が届きやすい価格設定(実勢価格で6~8万円)となっており、コンシューマー向けモデル「ScanSnap」のお兄さん的存在としてラインナップされていた製品のようです。現在はSP-1425というモデルに置換されています。
SP-30Fの特徴はズバリ、フラットヘッドが搭載されていることでしょう。
実は今回SP-30Fをチョイスした一番の目的もフラットヘッドで、借りた本や貴重な資料など裁断したくない原稿をフラットヘッドで読み取りたかったからです。
実は今回購入したのとは別に、同じくPFU製のA3サイズ対応スキャナー「fi-5530c2」も所有しています。こちらも自炊や書類の整理にバリバリ活用しているのですが、原稿を裁断しなければ読み取ることができません。しかし、SP-30Fならフラットヘッドがあるため、裁断することなくそのままスキャンできちゃいます。
しかも、SP-30Fはローコストモデルにもかかわらず、上位機種と同じ高速スキャナーが搭載されています。1枚あたりわずか1.7秒という他のメーカーを凌ぐスピードのものが搭載されているため、分厚い本でも裁断することなく、あっという間にスキャンすることができます。
また、フラットヘッドのカバーは着脱式になっており、かんたんに取り外すことができます。キヤノンの複合機を使っていた頃は、スキャンしている間に勝手にカバーが下がってきてしまい大変不便でしたが、これなら邪魔になることもなしです。
スキャナーのみならず、富士通の製品は利用者への気配りがホントによくできています。
ハード面はもちろんのこと、後述するスキャンドライバなど、ソフトもとても使いやすく設計されています。ScanSnapを始めとする富士通製品がトップシェアを独占しているのもよくわかります。
もちろんADFも搭載しており、紙原稿であればトレイにセットするだけでスキャンできます。読み取り速度も30枚/分(A4サイズ)をマークしており、大量の原稿も一気に読み込んでくれます。両面同時読み取りや超音波センサーによる重送検知といった、大量の読み取りを行う業務用スキャナーに不可欠な機能もきっちり搭載されています。
買ってみた!まさかの2台セット1円!
そんなSP-30Fがヤフオクで2台セット1円で販売されていたので購入してみました。実質1台0.5円で買えたことになります。
動作未確認とのことでしたが、届いたものを見てみると、とってもキレイ✨
付属品は給紙トレイ1個のみ。ACアダプター(DC24V 2A)は欠品でした。
給紙トレイは中古でスキャナーを購入する際は必須のパーツです。専用設計になっているため、欠品していると代替が効きません。本来2台分ほしかったところですが、基本的にフラッドヘッドしか使うつもりはなかったし、もう1台は壊れたときの予備として倉庫で眠っていてもらう予定だったので、気にせず購入することにしました。
ACアダプタについては、AliExpressで安いアダプタを注文することに。
すでに所有しているfi-5530c2のものが適合するようですが、一応SP-30F専用にもう1台用意しておくことにしました。
SP-30FはDC24V 出力2Aで十分ですが、fi-5530c2(2.4A)でも使えるようにと、余裕をもって3Aを購入。クーポンを使ってなんと630円でした。安っ!
AliExpressは今回初めて利用しましたが、ホントに安い!電子部品関係はかなりお得に購入できますので、これからも活用していきたいと思います。
動作チェック!
とりあえず動作チェック。まだAliExpressから購入したアダプタが届いていないので、fi-5530c2のACアダプターを接続し電源ON!
ふつうに起動しました。
電源ボタンを押すと、電源ランプが点滅しランプのヒートアップを行います。ヒートアップが完了すると、ランプが点灯に変化します。白色冷陰極管なので、立ち上がりに20~30秒ほどかかります。
起動している間にドライバをインストールしておきましょう。ドライバは富士通の公式サイトで公開されています。SP-30Fについてはシリアルなしでダウンロードできますので、あらかじめインストールしておきます。
ちなみに富士通製のスキャナーを中古で購入する場合は、必ずドライバをダウンロードできるか確認してから購入するようにしましょう。一部の機種は製品のシリアル番号がないとダウンロードできない場合があり、同じ機種でも年式によってダウンロードできるドライバが異なることがあるので要注意です。場合によっては公式サイトからのダウンロードができないこともあります。必ず確認してから購入しましょう。
ドライバがインストールできたら、スキャン枚数をチェックしてみます。ドライバに付属されているSoftware Operation Panelというアプリケーションを使うと確認できます。
1台目
ADFが4万枚、フラッドヘッドは8000枚くらい。業務用としては少ないカウントで、全体的にあまり使われていなかったようです。これならまだまだバリバリ使えます。
2台目
ADFは8万枚とそこそこのカウントですが、フラットヘッドはわずか2,000枚。「こちらもまだまだ使えますね~」と思ったら・・・
残念ながらガラス台が割れていました。その破片がセンサユニットに入り込んでいるらしく、スキャンすると虹色のスジが盛大に入ってしまいます。
よって、1台目をメインで使うことにし、2台目は予備として倉庫にしまっておくことに。暇があれば修理してみることにします。
スキャンしてみる
外見上大きな問題がない1台目を使って、実際にスキャンできるか確認してみます。
SP-30FはTWAINに対応しているので、幅広いアプリケーションから使用することが可能です。同じPFUでもコンシューマー向けのScanSnapはTWAINに対応しておらず、専用のアプリケーションでなくては利用できませんが、業務用スキャナはTWAINに対応しており、Acrobatなど任意のTWAIN対応アプリからスキャンすることができます。
今回は自作したスキャンアプリでスキャンを行ってみます。
TwainDotNetというライブラリを使い、C#で作ってみました。PFUに限らず多くの業務用スキャナーはスキャンソフト(スキャンしてPDFを作成してくれるようなソフト)が添付されていないことが多いです。スキャンソフトは自前で用意する必要がありますが、Acrobatだと変な圧縮がかかってしまうので、無劣化で画像を取り出せるスキャンアプリを自作してみました。
スキャンを実行すると、スキャンドライバが起動します。
上位機種のfiシリーズ同様、最新版のPaperStream IPが利用できるようです。
fi-5530c2でも使っていますが、このドライバは操作性が素晴らしいんですよ!各種パラメーターの調整もプレビューしながら緻密に行なえますし、なにより自動処理の精度が極めて高いです。用紙をセットしスキャンボタンを押すだけで、原稿の向き補正から白紙除去、カラーモードや画質調整まで、思ったとおりに行ってくれます。
SP-30FだけPaperStream IP for SP-30Fという別のドライバになっていたので不安でしたが、fiシリーズとまったく同じ機能が利用できました。よかった(*^^*)
スジが入る→センサユニットの清掃で解決
そしてスキャンしてみたデータがこちら。
端の方にスジが入ってしまうようです。
おそらくセンサーにゴミがついているのでしょう。カバーを開けて確認してみます。
ありました。小さいですが、インク汚れがついています。これが原因です。
指で擦って除去。再度スキャンしてみたら、スジは消えました。よかった。
ちなみに、PFUのスキャナーには縦筋軽減という機能があり、どうしても落とせない縦筋については、ソフト的に除去することもできます。
ホント至れり尽くせりですね!
やっぱりPFUのスキャナーはいい!
世界トップシェアを誇るPFUの業務用スキャナー。3年前からfi-5530c2を使っていますが、品質・速度・操作性、どれをとっても素晴らしいです。
今回購入したSP-30Fについてもさっそく使用を開始しており、単行本やソフトカバー本を何冊かスキャンしてみました。ストップローラーの劣化が原因なのか、若干ジャム(紙詰まり)の頻度は多めですが、読み取りも速く、これからバリバリ使っていけそうです。肝心のフラットヘッドもCCDセンサーのおかげで、分厚い本の綴じしろまでくっきりスキャンできます。
これだけのスペックで1台0.5円とは!いい買い物をしたなぁ~♪どんどん活用していきたいと思います。
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