今回は宮城交通が運行する仙台~東京 高速バス「広瀬ライナー」についてご紹介します。
いつもバスについてのマメ知識や仙台近辺の路線バスについてご紹介している当サイト。今回は初となる長距離高速バスについてのご紹介です。
新幹線の最高峰「グランクラス」にも何度も乗車している贅沢病の筆者。
正直なところ、今回の広瀬ライナー乗車前には
「狭いんだろうなぁ~(._.)」
とか
「疲れるんだろうなぁ~(;_;)」
などと侮っていました。
が、いざ乗車してみてびっくり(゜o゜)
予想をはるかに超えて超・快適でした(^^)/。
そこで、今回は乗車した宮城交通の広瀬ライナーについて、実際に乗車した率直な感想をご紹介していきたいと思います。
最後までどうぞご覧ください!
広瀬ライナーに実際に乗車してみて感じた最大のポイントは安全面への配慮です。
その点についても取り上げていきたいと思います。
なお、当記事では宮城交通運行便について記しています。京王バス運行便については、一部異なる点がありますので、ご注意ください。
また、広瀬ライナーに特化した内容のみならず、高速・夜行バス一般に言える事柄も掲載していますので、ご了承下さい。
宮城交通「広瀬ライナー」とは?
広瀬ライナーとは、宮城県最大手のバス会社「宮城交通」と京王バスが運行している高速バスです。
広瀬ライナー | |
運行会社 | 宮城交通・京王バス |
運行エリア | 宮城県仙台市・石巻市 ↔ 東京都新宿区 |
運行頻度 | 1日 4本 ・宮城交通 上り 1 本/日 下り 1 本/日 ・京王バス 上り 1 本/日 下り 1 本/日 |
所要時間 | 約 5 時間 10 分 |
運賃 | 変動性(乗車日により異なります) 仙台駅前から:片道3,500円~ ※小学生以下・障がい者は半額 ※石巻駅前・蛇田歩道橋前から:プラス700円 |
支払い方法 | ・予約時に支払い(クレジットカード対応) ・車内精算可能 |
予約 | 必要 |
座席指定 | 可能 |
シート | 3列 |
休憩 | 3箇所 ・菅生パーキングエリア(地図) ・那須高原サービスエリア(地図) ・羽生パーキングエリア(地図) 休憩時間:各 10 分 降車可否:○ 可能 |
トイレ | あり(車両右側中央) |
乗務員人数 | 2人 |
宮城県石巻市・宮城県仙台市と東京都(バスタ新宿)を結んでおり、両都市間の手頃な価格の移動手段として活躍しています。
宮城県内のほぼ全域をカバーしているのが宮城交通です。
よく見ると、名鉄バスと瓜二つなデザインとなっています。実は宮城交通は名鉄バスのグループ企業なんですよ♪
運賃は変動性で、おおむね片道4,000円~6,000円ほどの設定となっています。混雑期には8,000円を超えることもあるようです。
▼経由するバス停についてはこちらの記事をご覧ください♪
まずは予約だっ!
広瀬ライナーは予約制の高速バスとなります。乗車には予約が必要です。
予約方法としては以下の3つが用意されています。
- Web予約(ハイウェイバスドットコム)
- 電話予約
- 窓口予約(宮交仙台高速バスセンター窓口)
このうち、手軽に予約できるWeb予約がおすすめです。
乗車券もスマホの予約完了メールを見せるだけ。座席の指定もじっくりできますので、まずはWeb予約を試してみましょう。
筆者もWeb予約(宮城交通が提携しているハイウェイバスドットコム)から予約しました。
画面もわかりやすくて、大変スムーズに予約できましたよ♪
一方、「ネットは苦手なんだよなぁ」という方も大丈夫。「広瀬ライナー」は電話や窓口での予約にも対応しています。
予約は宮交仙台高速バスセンターで受け付けていますので、窓口へいくか、電話(022-261-5333)で予約してもOKです。
今回は仙台駅(仙台宮交高速バスセンター)からバスタ新宿まで予約しました。
乗車当日。宮交仙台高速バスセンターへ。
さあ、待ちに待った乗車当日です。どんなバス旅になるのか楽しみですね♪
まずは、広瀬ライナーが発車する宮交仙台高速バスセンターへ向かいました。
▼宮交仙台高速バスセンターの場所はこちら
ここ宮交仙台高速バスセンターからは、全国各地への長距離バスが発車しています。
乗車券の販売所のほか、休憩所やロッカーも併設されており、快適にバスを待つことができます。
やってきました!これが広瀬ライナー。
時刻は午前8時20分。お待ちかね、宮城交通 広瀬ライナーの到着です。
これから5時間ともにするバスは、大排気量E13Cエンジンを搭載した日野セレガ。3列シートとなっています。
広瀬ライナーに限らず、宮城交通の高速バスはゆとりのある時刻表設定になっています。定刻10分前ですが、早めに到着したようですね。
ただし、始発地の石巻方面から来ているため、道路状況によっては遅れる可能性もあります。
列に並ぶと、乗務員さんによる予約の確認が行われます。
窓口・電話予約の方は乗車券、Webで予約した方は予約完了メールをスマホで提示しましょう。
車内はどんな感じなの?
乗務員さんによる確認が終了したら、さっそく乗車します。車内はどんな感じなのかな?
今回は最後部左端の座席(10C)を予約してみました。
狭い通路をカニのように進み、バスの一番うしろまで行きます。
着席しました。こんな感じの景色が広がります↑
10列シートのため、足元にも十分なスペースがありました。
足をまっすぐ伸ばすのは難しいですが、新幹線の普通席と変わらないくらいのスペースがあります。かなり広々としていましたよ。
スリッパも提供されていました↓
スリッパが提供されるのはグランクラスと同じです。なんだか豪華な気分になりますね(^^)
フットレストもありますので、靴を脱いでくつろぐことが可能です。快適な旅になりそう♪
~シートやほかの装備については後ほど紹介します~
いざ東京!宮交仙台高速バスセンターを発車。
AM8時30分、宮交仙台高速バスセンターを発車しました。
ワクワク(^^)
休憩は3箇所。休憩時間は10分。いずれも降車OK!
休憩は次の3箇所用意されています。
いずれも10分間の休憩ですが、自由に降車できます。みなさん自販機で飲料を買ったり、トイレに行ったりしていました。
まずは発車後30分ほどで、すぐに1つ目の休憩場所「菅生パーキングエリア」へ。
次の休憩場所は1時間半ほど走行し、那須高原サービスエリアへ向かいます。
那須高原SA(上)・東北自動車道 おすすめランキング | ドラぷら(NEXCO東日本)
最後の休憩場所は羽生パーキングエリア。
事故渋滞が発生しており、20分ほど休憩となりました。ふだんは10分間の休憩らしいです。
羽生PA(上)・東北自動車道 | ドラぷら(NEXCO東日本)
車内設備のご紹介。充実装備の3列夜行用シート。
ここで車内設備についてご紹介します。
おそらく3列シートの夜行バスとしてはこれが普通なのでしょうが、初めて乗った私としてはとっても好印象でしたよ♪
リクライニング・レグレスト
左アームレスト下のレバーを引くと、リクライニングできます。
フルフラットとはいかないものの、くつろぐのに十分な角度まで倒せます。
レバー前についている赤いボタンは非常用ボタンです。万が一のとき、すぐに運転士に知らせることができます。
レグレスト(足置き)も装備されています。
プライベートカーテン
3列あるうちの左右の座席には、プライベートカーテンが用意されています。
実際に使ってみましたが、これが効果絶大でした。
新幹線と異なり、隣のお客さんとの距離が近いのが夜行バスの難点です。しかし、このプライベートカーテンのおかげで、他のお客さんの視線を意識せず、存分にくつろぐことができます。
率直な感想をいうと、このカーテンのおかげで、むしろ新幹線よりも快適だった感があります。
高額なグランクラスでは、座席の周囲にタマゴ型の囲いがあり、隣のお客さんと視線を遮るような配慮がなされています。
しかし、それでもやはり大口を開けて寝てしまうのは憚られるものです。
ところが、このプライベートカーテンがあれば、そんなまぬけな顔も隠してくれます。
気兼ねなく休むことができるという点では、むしろグランクラスより上と感じました。
テーブル
右の肘掛けの蓋を開けると、なんとテーブルが出てきます。
これ、意外と気づいていないお客さんも多いみたいですね。3列シートでは多くのバスで装備されているみたいですよ。
軽食をとるのにも十分な広さでした。
ドリンクホルダー付きですので、ペットボトルなどの背の高い飲み物も安心して置くことができます。
ちなみに↑これがグランクラスのテーブル。グランクラスのテーブルは座席全幅に広がります。
AC100Vコンセント
100Vコンセントも各座席に装備されていました。
100Vなので、スマートフォンの充電はもちろん、パソコンやカメラの充電にも対応できます。
格安高速バスではUSB電源しか装備されていないことがあります。
USB電源ではノートパソコン等の充電ができないため、ビジネスマンにとっては少し不便なんですよね。
その点、100Vコンセントのある広瀬ライナーなら、パソコンでの作業も悠々とできます。意外と重要なポイントです♪
東京(バスタ新宿)に到着。
乗車時間6時間、無事「バスタ新宿」に到着しました。
「あれ?5時間くらいで着くんじゃないの??」と思ったあなた。
その予定だったのですが、羽生サービスエリア付近での事故渋滞のため、1時間遅れで到着となりました。
やはり定時制においては、新幹線のほうが一歩上のようですね。
走行中の振動は気にならない?ちゃんと寝られるの?
よく夜行バスを利用するという友人によると、夜行バスは振動が気になって寝られないとのこと。
たしかに新幹線とは異なり、エンジンの振動や路面の段差を乗り越えた衝撃などは伝わってくるでしょう。せっかく東京に着いたのに、疲れちゃった…というのでは、残念ですよね。
ただ、実際に乗ってみて抱いた感想は、”新幹線とそんなに変わらないなー”というものでした。
とくに今回はエンジンの真上にあたる10C席でしたので、おそらく乗り合わせた全乗客のうち、もっとも乗り心地が悪い座席だったと思います。
でも、ふつうに寝れましたし、疲れることもありませんでした。
おそらく理由としては、
- 運転技術が高い
- エアーサスペンションのため、段差の衝撃が伝わりにくい。
- 1/fゆらぎが心地よい。
といったところが挙げられます。
5時間以上にわたる長時間の乗車でしたが、強いブレーキや急加速といった不快な運転は一切ありませんでした。
終始スムーズな運転であったことが、疲れを感じなかった最大の要因だと思います。
また、新しい車両だったことも大きな要因でしょう。
最近のバスには「電子制御エアサスペンション」などの最新技術がふんだんに盛り込まれています。昔の夜行バスよりも、はるかに乗り心地が向上しているのですね。
高速道路上での乗り心地においては、もはや新幹線と変わらないレベルとなっていました。
たしかに、道路の段差を乗り越えたときなど、時々揺れを感じることはありましたが、新幹線でもありうる範疇であり、不快感を感じるほどではありませんでした。
ロードノイズについても基本的に1/fゆらぎに相当しますので、聞いているだけで眠たくなってきます。むしろよい睡眠薬として作用してくれたようで、じっくり休むことができましたよ。
1/fゆらぎ(エフぶんのいちゆらぎ)とは、パワーが周波数 fに反比例するゆらぎのこと。
谷川のせせらぎや風に揺れる木々の声などが1/fゆらぎにあたり、リラックス効果があると言われています。バスや電車の車内で眠くなるのも、1/fゆらぎの影響と言われています。
【広瀬ライナー最大のポイントは安全面】安全面へのひたむきな配慮が素晴らしい!
仙台~東京間の高速バスは最安で3,000円くらいから利用できます。
それを考えると、広瀬ライナー(平均4,000円~6,000円)は決して格安というわけではありません。
しかし、その価格差にはそれなりの理由があります。それは安全面への配慮です。
数多く運行されている仙台~東京間の高速バスですが、多くの会社では運転士1人による運行が行われています。
そんななか、宮城交通の広瀬ライナーは運転手2人体制での運行を導入しています。
手頃な運賃が魅力の高速バスですが、やはり懸念されるのは交通事故でしょう。
一般的に長距離高速バスの乗務員には、安全性はもちろん、接客対応や運転技術に定評がある運転士が抜擢されます。このため、運転技能に関しては、それほど不安になる必要はありません。
しかし、あくまで運転士も人間です。
長く運転すれば疲れますし、急病などで事故が起こる可能性もゼロではありません。
運転手に急病など予想外の事態が起こった場合でも、2人乗務の広瀬ライナーであれば、もう一人の運転士さんが対応に当たれます。
やはり、プロの乗務員さんが2人いるのは、乗っていてとても安心でした。
休憩後の人数確認も乗務員2人でダブルチェックを行っていました。
安全に対する努力が感じられ、とても安心感がありました。
まとめ
今回は宮城交通の高速バス「広瀬ライナー」についてご紹介しました。
今回が初めての長距離バスだったのですが、まず車内設備が充実していたことに驚きました。
カーテンを閉めた際のプライベート感は予想以上で、人の目線を気にすることもなく、悠々自適に車内時間を過ごすことができました。お世辞抜きでグランクラス以上に快適でした♪
しかし、それはほかの3列シート高速バスでも同じことです。
広瀬ライナーのいちばんのウリは、やはりサービスクオリティの高さと安全性の高さだと思います。
ほかの高速バスに比べ、いささか高めの運賃設定となっているものの、2人乗務・終始スムーズな運転のおかげで、大変快適かつ安心して利用することができました。
次に東京へ行く機会にもぜひ利用したいと思います。
みなさんもぜひご利用してみては!